TOP NEWS ハーブ王子とゆく、秋の野草講座〜レポート編〜

ハーブ王子とゆく、秋の野草講座〜レポート編〜

昨年10月秋。高鷲のフィールドを無限大に活かした、しかも身近に楽しめる、新たなイベントを開催いたしました。その名も「ハーブ王子とゆく野草講座」。普段、生活していても当たり前すぎて、注目しない“そのへん”にある野草たち。私たちが知らないだけで、実はもっと簡単にとりいれることができたり、実は希少だったり…そんな野草たちが高鷲に溢れていることが発覚!?高鷲の野草や植物のこと、それらを生活へ取り入れる方法など、超有名な講師の方々に教えていただきました。

今回は『誰でも日常で使える野草知識』をコンセプトにし、2日間に分けて講座を開催。日本各地で活躍している植物の専門家を3名(ハーブ王子こと、山下智道さん。サイエンス・ジャーナリスト、森昭彦さん。樹木図鑑作家、林将之さん。)講師としてお招きしました。講師の詳細はこちらのページをご覧ください。

では、講座の様子を振り返りましょう。
さっそく1日目から。

1日目(10月20日)
テーマ「生活に生かせる知識〜香りで癒され、体を温める」
講師:ハーブ王子こと山下智道氏、自然ジャーナリスト 森昭彦氏
場所:高鷲町鷲見(フィールド)、小左エ門(ワークショップ)

①民家のすぐ裏にある里山を散策。野草を採取。
②ハーブティーと野草のお茶菓子を試食。
③ワークショップ「originalバスハーブ作り」

 

フィールドに向かう前に、注意事項や野草の採取方法、今日採取する野草についてレクチャーを受けます。野草知識ゼロでも安心ですね。
しっかり学んだら、さぁ実践!講師陣についてフィールドへ。しかし、フィールドに出るや否や、ハーブ王子はすぐ立ち止まります。何やらお宝を発見したみたいです。写真のように、民家のすぐ横や田畑のあぜ道には、ヨモギやオオバコなど食べる・飲む、はたまたスパイスにもなる野草が多くあるそう。ハーブ王子たち講師陣は、1種の野草に対し、何時間でも話せる勢いで解説してくれます。野草への溢れんばかりの愛が伝わってきます。

 

 

 

 

 

フィールドから帰ってきたら、まずは、ティータイム♪
ハーブ王子と森さんがブレントしたハーブティーと、野草で作ったお茶菓子を試食。ハーブティーにもお茶菓子にも“そのへん”で取れた野草を使っています。都会にはあまりないクロモジやシロモジ、田んぼの周辺に生息するイグサ(イ)、ネコジャラシの愛称でお馴染みアキノエノコログサなどを使用しています。お茶菓子(写真左)は、ヨモギ、オオバコ、ガマズミをマシュマロと玄米フレークを混ぜあわせ、ふわっとしっとりほどける食感が楽しい。右は、セイタカアワダチソウ、シロモジ、クチナシを煮出し、彩りとピリッとしたアクセントにヤナギタデをトッピングした羊羹風の砂糖菓子です。

一息ついたら、いよいよoriginalバスハーブ作りに取り掛かります。バスハーブには、ヨモギ、ヨメナ、シシウド、シロモジ、ゲンノショウコなど10種類近くの野草と、自分で採取した野草などをブレンドし、自分オリジナルのバスハーブを作ります。乾燥や生など状態によっても効能が変わってくるとか。完成したバスハーブは、ティーパックに入れ持ち帰り、お家で堪能していだだきました。

 

 

 

 

続いて2日目。思い出しただけでヨダレが出るほど、食欲の秋に相応しい内容でした。f

2日目(10月21日)
テーマ「アウトドアで生かせる知識〜野草でモテ男とモテ子〜」
講師:ハーブ王子こと山下智道氏、樹木図鑑作家 林将之氏
場所:高鷲町西洞 大日荘(フィールド、ワークショップ共に)

①大日荘にて野草を採取。
②ダッチオーブンで採取した野草で、野菜やジビエ、川魚を香草焼きに。
③ワークショップ「Myハーブソルト作り」
④香草焼き試食。Myハーブソルトや野草ソースをお好みで。

 

 

フィールドで採取した野草を使い、香草焼きをダッチオーブンで作りました。中身は、かぼちゃや玉ねぎ、にんじんなど根菜類と鹿肉。また、高鷲産のイワナも香草焼きに。
スパイスとして、シシウドの種やヨモギの花、サンショウを入れたら、ダンコウバイやクロモジの葉を具材が見えなくなるほど詰め込みます。15〜20分ほどしたら完成。フタを開けた瞬間、野草の香ばしくも優しい香りが漂い、思わずお腹が鳴っちゃいました(笑)
完成したら、葉っぱのお皿に盛り付け。香草焼きの待ち時間に作ったMyハーブソルトや野草ソースをかけたり、ムラサキシキブの実をアクセントでのせてみたり。見た目からも食欲をそそります。

 

 

2日間行った講座はこれにて終了。
高鷲の野草や食材でここまでの食事ができちゃうなんて。しかも、“そのへん”で採った野草がアクセントになったり、お皿になったり、ドリンクにもなる。野草自体の可能性が無限大ですね。

 

高鷲というフィールドは元々、アウトドアが盛んで、生活の中に山や森、川、野生動物などが身近にある地域です。私も幼い頃から、山菜やジビエが食卓にでるのが当たり前の環境。春になったらタラの芽、コンテツ(コシアブラ)、ワラビやこごみ、ツクシ、フキノトウなど、山菜を取りに出かけるくらい豊かな環境が普通に、当たり前に生活の中にあります。

…ですが、高鷲の皆さん。これで満足していたらもったいない!!
もっと美味しい、もっと希少、そんな野草たちが高鷲には溢れんばかりあるのです!

今回、お招きした3名の専門家が仰天するくらい、高鷲には野草の種類と量の多さがあります。講師の森さんは、「ヤマトキホコリ」を見つけた時に拝むほど感動していました。
最高標高は900m、湿原や高原、原生林など多様な地勢と手付かずの森が残る高鷲は、『野草の宝庫』と言っても過言でないほど、多くの野草があるのです。当たり前だと思っていたこの高鷲の環境は、当たり前ではなく、特別な環境だったのです。きっとこれは、講師の方々が来ていただけなければ気付かなかったこと。こんな貴重な環境に暮らしているのに、野草を活用できていないことは、もったいなかったと痛感しました。

 

 

しかし、野草の中には人に有害な毒を持っている野草もあります。
例えば、ウルシ。個人差がありますが、樹液に触れるとかぶれ、激痛を伴うことがあります。
実は、野草講座内で、過去にウルシで、かぶれたことがあるスタッフがいることが発覚。そのスタッフは、山の中でお昼を食べる時、箸の代わりのに真っ直ぐな枝が特徴である、ホウノキの枝を使ったそう。…それがウルシの枝だったそう。ウルシは、2、3日後にかぶれや腫れが出てきます。そのかぶれ・腫れは全身に広がり、治るのに3週間もかかったそうです。体験談を聞くとより恐怖感が…。
塗料としても活用ができるウルシですが、正しい知識がないと危険な目に遭うかもしれませんね。だからこそ、学ぶ必要があります。

 

大好評だったこの野草講座。雪が溶け、新芽が出てくる春にも開催予定。
春はどんな野草たちに会えるのか今からワクワク。出会いの季節春にお会いできるのを楽しみにしております。